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お客様からよくいただく質問をまとめました。なお不明点がございましたらお気軽にお問合せください。
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A.何故エコボイドが選ばれるのか
- 1.空間計画上の多様性
- 部屋うちに小梁がなくなるので、住戸プランを考える上で、間取り計画と小梁の配置計画は不可分であり、小梁の配置は時として大きな制約条件でしたが、その制約がなくなりますので、計画段階からエコボイドの採用が行い易くなったと言えます。
- 2.リニューアル時におけるプラン変更に対する高い追従性
- 後日、リニューアルを行う場合、小梁がない事は平面プラン的に制約が少なくなる事ですので、ユーザーにとって後日の変更対応が行い易くなります。
- 3.資産価値が高くなる
- リニューアル時におけるプラン変更に対する高い追従性は、所有者の変更に際して、購入上の障害が減る事であり、見方を変えると資産価値が上がったとも言えます。
- 4.遮音性能がよくなる
- 従来、遮音性能は床の仕上げ材でとるものだと言う長い設計習慣がありました。しかしながら、仕上げ材をどの様に工夫しても無理だと言う認識に至っています。
- 現在の考え方は躯体の側で出来るだけ性能の良いスラブを採用し、不足分を仕上げで補完すると言う考え方からスラブ厚を上げ剛性を高くするに至ったと考えています。
- スラブ厚を上げるのであれば、少しでも重量を軽減し、かつ剛性も期待出来るエコボイドの採用に至ったと言えます。
B.遮音性能について
- 1.遮音性能予測で採用している方法は?
- 八戸工業大学・橋本研究室がインターネット上で公開している『新・拡散度法』によるソフトを利用して遮音性能予測を行っております。
- 2.エコボイドが遮音性能に優れている理由は?
- 遮音性能が優れているスラブの条件として、剛性が高い事やスラブの拘束度が大きい事等があります。ボイドスラブは筒状のパイプや種々の形状の発泡スチロールをスラブの中に埋め込む事でスラブ厚を厚くしながら自重を軽減する事で、これらの条件をクリアしていますので、どのタイプのボイドスラブもその条件はクリア出来ています。
- 然しながら、遮音性能に影響する要素としましてはそれだけでなく、部屋の大きさ・容積や音響放射エネルギー等も関係してきます。この音響放射を考慮する時、ボイドスラブの内部に空洞がある事が問題ではないかとの指摘がなされてもいます。
- この観点からエコボイドは発泡スチロールの球体で充実断面ですので、遮音性能に優れているのではないかと考えています。
- 3.エコボイドはLH50を保証出来る構法ですか?
- LH50を保証するものではありませんが、事前の予測計算での結果がLH50を満足するものであるならば一応、実測結果においても同等の結果が得られる可能性が高いと判断出来ると考えられます。
- 事前の予測計算の結果でLH50が期待出来ると思っていたものが、遮音性能テスト結果では必ずしも良い結果になっていない場合もあります。 また、その逆も当然ながらあります。事前の予測計算の結果でLH55しか出ていなくとも、テスト結果ではLH50をクリア出来ている場合もあります。
- これは施工程度の問題、受音室側の密閉度合の問題、天井・壁・床の仕上げ材の問題等々が影響しますので、事前の予測結果からLH50をクリア出来ていたからと言って、保証までは出来ない理由です。
C.構造計画・設計上の問題について
- 1.エコボイドスラブを設計する場合に必要となるデータは?
- 構造図(梁伏図、柱梁配筋リスト)、構造計算書(床荷重表)、その他(床段差部のデータ)等々が必要となります。
- 2.エコボイドスラブ工法での対応可能スラブ厚さは?
- スラブ厚225から250、275、300、325、350のラインナップで各スラブ厚に対応しています。その他、前記の厚さをベースとしまして、中間スラブ厚にも対応可能です。遮音予測により、LH50をクリアする為に中間のスラブ厚を採用する事も可能です。
- 特殊厚としてスラブ厚400も用意しています。
- 3.エコボイドスラブ工法での使用コンクリート強度は?
- 通常の在来工法と差をつける必要はありませんが、スラブとしては取り扱い面積が大きいので、ひび割れ応力、ひび割れ幅の検討が必須となります。
- これらの検討ではコンクリート強度が大きなファクターとして効いて来ますので、在来工法でのコンクリート強度よりは1ランク程度上のものを使用する様にお勧め致します。
- 4.エコボイドスラブ工法でのコンクリートスランプは?
- とりたてて通常の在来工法で用いられているスランプと差異はありません。一般的にはスランプ18程度です。
- 5.ひび割れの検討について?
- 原則的には0.2mmのひび割れ幅以下で設計しています。
- 一般的に通常対象となるボイドスラブは室内であり、仕上げも施されている場合が大半ですので、0.3mmまでを許容範囲と考える事も出来ますので、必要であれば設計時に相談願います。
- 6.クリープの問題に関して
- 遮音性能を問題とするマンション等の用途での100~120~150㎡と言ったスラブの大きさ程度であれば、クリープを意識する事は必要ですが、問題になるまでのオーダーではないと考えられます。
- 体育館、講堂、展示施設等々の様な大スパンの用途を取り扱う場合に、クリープを十分意識する必要があると考えられます。
- 7.エコボイドスラブの応力解析はどの様に行っていますか?
- 在来工法の場合ですと、スラブの大きさは20~30㎡ですから特別な考慮は必要としませんが、エコボイドスラブの場合、50~100~150㎡~と言った面積の大きなスラブを取り扱いますし、水廻り・バルコニー等の段差部や整形でないスラブや種々の境界条件を持つ場合も取り扱いますので、FEMによる応力解析を採用しております。
- FEMによる応力解析と同時にひび割れ応力、ひび割れ幅の算定、及び拡散度法による遮音性能の予測まで一連の検討が可能な解析ソフトを自社開発し使用しております。
D.施工上の問題について
- 1.スラブの打継ぎ部にボイド型枠材が来る場合には、どの様に対処するのですか?
- 打継ぎ用の仕切り材がボイド型枠材とボイド型枠材の間に来る様に配置する事になります。この場合、ボイド型枠材と打継ぎ用の仕切り材とのクリアランスの確保は気にしなくとも構わないのですが、あくまでクリアランスの確保にこだわるのであれば、関係する列のボイド型枠材を除去する事になります。
- 2.ボイド型枠材(発泡スチロール)が施工中に破損した場合には、どの様に対処するのですか?
- 施工中に破損することはないと思います。 然しながら、万が一、破損が生じた場合、エコボイドスラブにおきましては連結金物とボイド型枠材が一体となっており、ボイド型枠材は連結金物から着脱自在になっていますので、何時でも予備のボイド型枠材と取り替えられます。ですから、施工中の破損は問題になりません。
- 3.ボイド型枠材間のクリアランス40mmと言うのは狭くありませんか?
- ボイド型枠材の直径部での近接寸法が40mmと小さい様に感じられますが、ボイド型枠材は球体ですので実際に施工現場をご覧頂けば意外と空隙部がある事に驚かれます。
- 40mmとした根拠は、ボイド率20%以上を目標とした事、骨材サイズがクリア出来る間隔を目指した事等々の理由にあります。
E.材料・材質上の事柄について
- 1.ボイド材の発泡スチロールの正式名称は
- 発泡スチロール又はビーズ法発泡スチロールと呼称され、EPS(Expanded Polystyrene)とも呼称されます。
- 2.発泡スチロールの原料について
- ブタン等の炭化水素系のビーズと呼ばれる発泡剤(直径1mm程度のポリスチレンの粒)が原料になっています。
- 3.ボイド材に付属する鋼材の材質について
- ボイド材と一体化される連結金物は構造用材料ですから、スラブに使用される異形鉄筋や丸鋼と材質は同じものを使用しています。
- 4.ボイド材(発泡スチロール)の耐火性状について
- ボイド材は自己消化性を有していますので、溶接の火花がボイド材に着火した場合、その自己消化性により瞬時にその部分のみが融解してそれ以上はなんら進展しません。
- ボイドスラブとして耐火認定(認定番号 FP120FL-0077)を取得しています。
F.その他問題について
- 1.断熱・保温性能の向上について
- 断熱材、保温材である発泡スチロールを内蔵している訳ですので、当然の事として断熱・保温性能が向上しますとは言えます。